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※ことばとおこない-1-と話が繋がっています。先にそちらをお読みください。
……ガチャ、バタン。
「もう、こんな時間か」
ドアが開く音で我にかえり時計を見ると、時計の針はとっくに美咲の帰ってくる時間を指していた。
日中は電気つけていなかったため、部屋の中は真っ暗だった。
「ただいまー……って、暗っ!電気つけなよ」
声とともにぱちりとつけられた室内灯に一瞬目が眩む。
なんとか光に慣れた目を開くと、玄関からカバンと途中で買ってきたと思しき食材の袋を抱えた美咲が現れた。
袋から覗くシチューの箱から、どうやら本日の夕飯はビーフシチューのようだ。
「ウサギさん、お昼ちゃんと食べた?」
キッチンに荷物を運び込みながら、美咲が尋ねる。
「いや、気づいたら夜になってた」
マグカップを食器洗い機に放り込みながらそれに応じると、冷蔵庫の中身を見た美咲は驚いたように振り向いた。
「は?!今までなにやってたの、寝てたの?」
「お前のことを考えていた」
「あのさ、俺が家出たのって、10時間前くらいなんですけど…………」
今日あった出来事を正直に伝えただけなのに、美咲は深い深い溜息をついてエプロンを巻きつけた。
「10時間も考え続けるって……」
「別にありのままを伝えているだけなんだがな」
「……それはわかったよ、丸一日考えていただきありがとーございました」
でも、昼ご飯はきちんと食べろ!と釘を刺してから、取り出したにんじんを洗いはじめた。
嫌いと知っているピーマンもついでに洗う仕返しに、その背後にこそっと回って耳打ちをしてやる。
「美咲」
「何?」
「好きだよ」
美咲が顔を真っ赤にして怒鳴るまであと少し――
<11/08/04>
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