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※直接的ではありませんが、背後等にご注意ください。また、義務教育未終了の方はご遠慮ください。
また、一応なみのこり-1-と話が繋がっています。先にそちらをお読みください。
意識がぼんやりしている。
確か俺は、ヒロさんの忘れた書類を持って大学に向かったんだ。
そしたら、扉の前で高校生が立ち往生しているから、入らないんですか?って聞いたらやけに慌てて、そっちから先にどうぞなんて言われてしまって。
しかたがないから、二人で入りましょうか?なんて言って扉をあけたら――
「――わき……、のわき……野分ッ!」
事の次第と同時によみがえってきた聴覚が悲鳴に近いヒロさんの声を届けた。
「……え……?」
急に鼓膜が揺さぶられた衝撃でようやく自分が何をしているのか。
……いや、「してしまったのか」に気づいた。
ベッドの周りには乱雑にうち捨てられたヒロさんの衣服。
ヒロさんはネクタイで目隠しをされていて、情事の後が色濃く体に残っていた。
頬には涙の後がいく筋もあり、何度もされたであろうそこは白濁に血も混じっている。
これを、俺が?
状況が読み込めていない俺に対して、ヒロさんは怯えたように言葉を続けた。
「のわき、ごめ、ごめんなさい。おれが、おれが……ぜんぶわるかったから」
「ヒロさん……」
その白い頬に触れようとすると俺の動きを察したのか、ヒロさんは「ごめん、ごめんなさい」と謝辞を述べながら俺から逃げようと必死に体をよじった。
「お願いだから、俺から逃げないで、ください……」
優しくしたいだけなのに。
ぎゅっと抱きしめて、震えるあなたを安心させてあげたいだけなのに。
なんとか逃げようとする体を追いかけてようやく捕まえると、うって変わって全てを諦めたように手足を投げ出しておとなしくなった。
「もう……、仕返しは十分、だろ」
自嘲めいた笑いを浮かべて、吐き捨てるようにヒロさんは呟いた。
そんな顔なんてさせたくなかったのに。
「仕返しなんか……」
する気はないのに。
「謝るのは俺のほうです」
あんなに簡単に我を忘れるとは思わなかった。
目を覆うように巻かれたネクタイをそっと解くと、ヒロさんの綺麗な瞳は何の光も映していなかった。
ただ、どこか遠くを見つめていた。
「……ごめんなさい」
謝りながら、いたわるように体を抱きしめると、ヒロさんもそっと抱き返してきてくれた。
「俺は、あなたのことでいっぱいいっぱいなんです。あなたの一挙手一投足が気になって、あなたの考えていることが知りたくて……。自分のことよりも大切で、かけがえのない存在なんです。……でも、「好きな気持ち」が行き過ぎて、あなたを傷つけてしまいました」
許して欲しいとは思わない。
でも、あなたが好きという気持ちだけでも伝えたかった。
「お前は悪くない」
だから、謝るな。
どうしようもない俺に対してもそういう言葉が簡単に出てしまうヒロさんは、とても気高くて、
――どこまでもやさしかった。
<11/08/03>
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