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※推して知るべし-1-と話が繋がっています。先にそちらをお読みください。
朝から宇佐見さんの家に行っていたらしいヒロさんが妙に上機嫌で帰ってきたのはついさっき。
家だと俺が何を言ってもああとかうんとかしか言わないでぶすっとしてるのに……。
宇佐見さんがいくら幼馴染とは言え、やっぱり昔好きだった人と言われれば妬けてしまう。
醜い嫉妬の渦がじわじわと俺の心を覆い始める前に、ヒロさんが言った。
「野分、買い物に付き合えよ!」
いつもならふらっと出て行くヒロさんをなんとか捕まえて、無理やり荷物持ちとしてついていくことを了承してもらうのに。
一体全体なにがあったんだろう。
「えっと、遠くまで行くんですか?それとも、重いものを買うとか?」
「べ、別に。ただなんか足りないものとか無いかと思って。その……、お前、掃除用具とか足りねーって言ってただろ?」
……やっぱり、なんだかおかしい。
挙動不審なヒロさんに、いいから行くぞと有無を言わさずに引っ張られて近くのショッピングセンターへと足を運んだ。
「野分、台所用の洗剤無かったよな?」
「こないだ俺が補充しておきました」
「じゃあ……、ゴミ袋!減ってただろ?」
「昨日新聞屋さんがくれましたよ」
「ええっと、電池は」
「単1から単4まで揃ってますよ。それにヒロさん、電池なんか何に使うんです?」
「う……」
買い物用のカートを押したまま、ヒロさんはどこか落ち着かない様子だ。
きょろきょろと辺りを見回していたかと思うと、急に俺の顔をじっと見たり、俺が気づくと慌てて目をそらしたり……。
「ヒロさん。俺、なにかしましたか?」
無意識のうちになにかまずいことでもしたのだろうか?
「えっ?あ、いや、何にもしてねーけど、その必要なものとか無いかなーと思って……」
何を意図しているのかはよくわからないけど、とりあえず怒られることは無さそうだ。
必要な物と急に言われてももともと物欲があまりないせいか、特に欲しいものは見当たらない。
「うーん、そうですね……。あ!アレが欲しいです」
「肩たたき機……?」
たまたま目に入ったセール品だったが、疲れて帰ってくる俺やヒロさんを考える必要な物ではある。
「お前、あんなのがいいのか?」
「ええ、今なら安いですし。気になってはいたんですよね」
「そ、そうか!わかった!俺が買ってくるから、お前はトイレとか行ってろ!」
ヒロさんは急に元気になったようにカートに肩たたき機を放り込むと、勇んでレジへと足を向けた。
取り残された俺はさっぱりヒロさんの行動がわからずに、とりあえず言われた通りにトイレへと向かった。
続き
<11/07/31>
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