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※一応描写は無いですが、ヒロさんが知らない人とよろしくやってるので、苦手な方はご注意!
「……もういいや。おしまい」
おしまーい、と突然掛けられた声に思わず途中までしていた愛撫の手が止まる。
「は?」
「だってさ、全然身が入ってないじゃん?だから、今日はこれでおしまい」
男はさっさと身づくろいをして、呆然としている弘樹におつりいらないからと札束を投げてよこした。
「これ……、こんなの受け取れねーよ。それに俺はそんなつもりじゃ……」
「いいや。これは受け取っておいて。お互い社会人だろ?スマートにやるためのものだ」
「それでも、あの……」
呼び止めようとしてはじめて、弘樹はその男の仕事はおろか名前さえも思い出せないことに気づいた。
「じゃ、またね」
ひらひらと手を振って、サラリーマン風の男は弘樹の部屋から出て行った。
「……はぁ……」
ぐしゃぐしゃのシーツがかろうじてかかったままの状態で札束を握りしめた弘樹は深い溜息を吐いた。
ずきずきと痛むこめかみを押さえつつ、ベッドサイドにおいてあったミネラルウォーターを口に流し込む。
「まっず……」
ぬるくなっていた水は、男のものを飲み込んだばかりの口内を散々にかきまわして胃の腑へ落ちていった。
「……ゴマンって。どんな金銭感覚してんのあの人……」
手のひらの札束は、颯爽と去っていった男を思わせる折り目の無いピン札ばかりだった。
「これで、全集でも買いに行くか……」
弘樹は痛む腰を抑えてなんとか立ち上がり、鞄から財布を引っ張り出すと折れるのも気にせずに強引に突っ込んだ。
「……身が入るも何もねーよな……」
財布を放り出して、頭を抱えながらばったりとベッドに倒れる。
「もう相手を思いながらヤるなんて、出来ないな……」
心はもう決まっているのだ。
「秋彦、なんて言うだろ……」
はは、と乾いた笑いが自然と出てくる。
「親友とヤりたい、なんてさ……。最低だよな」
それでも、目を閉じれば浮んでくるのはまぎれもなく……。
「これじゃ、堂々巡りか」
ちらりと視界の端に財布が入った。
「ビジネスライクってのは、俺には向いてないみたいだ」
元の持ち主に話しかけるように、財布の中の札束に声をかける。
この恋も、お金ですめばいいのに。
続き
<11/07/24>
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