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夢みたものは

※ヒロさんと篠田さんでそういうことがあったという設定です。苦手な方はご注意!





電源を入れたノートパソコンが起動するように、眠りに沈んだ意識がゆっくりと覚醒する。

寝覚めは決して悪いほうではないが「こういうこと」をしてしまった日は例外だ。

薄目を開くとうっすら見覚えのない天井が映った。


「大丈夫?」


すこし苦い煙草の香りとともに大きな手が俺の髪にそっと触れた。

掌を通して伝わったぬくもりと優しさは、一瞬の安堵と深い後悔を与える。

「……別に、」

聞こえてきた声色は、あれほどに恋焦がれた相手のものではない。

「慣れてるから」

寝返りを打って背を向けると、髪を触っていた手は顎まで滑り落ちる。

それが合図のように目を閉じると、冷たい唇が触れた。

「俺のこと、好き?」

「さぁな」

「あっそ。……つれないなぁ」

大きな掌が再び現れて、ぴょこぴょこと跳ねる前髪で遊び始める。

「髪で遊ぶな」

不機嫌な声を出してみても相手はどこ吹く風、と意に介さない。


それでも手を払いのけられないのは……


束の間でもいいから『彼』の代わりをして欲しかったからなのかもしれない。

行為をすることも、相手の望むように振舞うこともすっかり慣れてしまったけど。

わかっているのだ。

 

目が覚めたら、夢はおしまい。


髪を優しく撫でる手を勘違いできればよかったのに。




<11/07/24> 
 

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